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初めて個人旅行で九州を訪れた時、宮崎や鹿児島には是非行ってみたいと考えていた。宮崎を訪れたのはその一年後になってしまったが、鹿児島には行く事が出来た。九州もさすがに鹿児島のあたりまで来ると一見でそれとわかる南国風情があるのが魅力だ。 鹿児島本線を走るJR九州自慢のスマートでエレガントな特急列車「つばめ」は、そのグレーメタリックのボディを西鹿児島駅のホームへ停まらせた。屋根の高い三角屋根の駅舎へと向かい、改札を抜けて駅前に出ると高い亜熱帯の樹木の並ぶ道路に路面電車が停まっている。地元の人は「西駅」と呼ぶ西鹿児島は鹿児島市の中心駅ではあるが、繁華街は別な場所にある。私は鹿児島市電に揺られて町の見物を開始した。 市電路線の東側の終点は鹿児島駅前である。駅名だけ見ると駅の回りは栄えていそうな駅名だが、町のはずれという雰囲気が漂う。平屋のJRの駅舎。博多や熊本の方からの鹿児島本線の列車は西鹿児島までなので、鹿児島駅を通る列車は宮崎方面からの日豊本線の列車しか通らず、ホームもひっそりとしている。 ホームの向こう側は港があり桟橋もある。桜島が大きく海に横たわる姿は迫力があり、ひっそりとした岸壁は同じくひっそりとした駅と共に夕方の傾き始めた日差しがよく似合った。 夜になると繁華街を歩きたくなる。市電で西鹿児島に向かう途中にある鹿児島で一番の繁華街である天文館通で市電を降りる。 天文館通は道幅の広いアーケードもあり、行き交う人の数も多い。人口50万人都市だけあって、店の数も多いのだ。 日が暮れてきた鹿児島の街を市電の窓から眺める。市電のリズムは街を眺めるのにちょうど良く、天文館通りの喧騒から、やがて住宅地の静かな空間へと変化していく様子をじっくりと堪能出来た。 鹿児島は桜島を控えているからか、市内にある銭湯全てが天然温泉であるという素晴らしいロケーション。その中の一つの銭湯に行ってみるために市電の工学部前という停留所で降りる。 銭湯は住宅に囲まれた普通の銭湯だったが中は広々としており、湯は温泉だというだけで手触りが違うような気分になる。休憩室で会話する親子、父親の厳しい口調に九州男児を感じるのは、これも温泉同様に先入観が成せるものであるか。 外に出ると街はすっかり夜の静けさに包まれていて、やってきた市電も空いていた。西鹿児島駅前で降り、駅の待合室に向かう。今夜は夜行急行かいもん門司港行きが私の宿だ。 待合室のテレビはNHKのスポーツニュースが映っている。相撲の映像をぼんやりと見つめながら、テレビの音声以外は静まりかえった待合室のベンチに佇む。 ホームに出て、青い車体の客車が繋がれたかいもんに乗り込むと、車内は一段と静かで空いていた。こういう夜行列車は悪くない。窓際の席に座り、リクライニングシートを倒しながら、発車を待つ。23時30分、客車急行かいもんは電気機関車が引っ張るゴツンという振動とともに西鹿児島駅を発車した。
by seasonz-t
| 2012-10-10 22:48
| 九州・沖縄
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