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金沢に初めて泊まったのは友人グループとの旅行で、酒屋で買った地酒「天狗舞 山廃仕込み」を旅館の部屋でしんみりと飲んだ。 その時に乗った北陸鉄道浅野川線にまたこうして乗りにやってきた。終点の駅の近くに砂丘がるローカル線だ。 2010年の年末、私は金沢に泊まりに来ていた。雪国ひとり旅という訳だけれど、夕方金沢駅に降り立つと雪が強く降っている。 私は駅前広場の地下にある浅野川線の北鉄金沢駅へ向かった。以前に来た時は地下ではなかったから、それだけでも歳月による町の発展を感じたが、いざ乗り始めてみると風景はあの日のままだった。 正面がピンク色で車体が銀色のこの電車は京王井の頭線で走っていた電車だ。運転席のガラスには雪がびっしりと付着している。既に空は濃いブルーに染まり夜が近い事を知らせていたから、閑散とした車内は灯りが灯されていた。 二両でゆっくりと走る電車は金沢の町をゆったりと走り、小さな無人駅で数名ずつ降ろしていくと分で終点の内灘に着いた。駅から少し歩くと砂丘のある海岸に出る。言ってみたかったが雪が強いので諦めた。コーヒーを自販で買い、狭い待合室で電車を待つ。 金沢駅前に再び戻った私はバスで金沢の繁華街である香林坊に出た。日はすっかり沈み、アーケードにはネオンが輝き始めている。歩道の隅には雪が寄せられて積み上げられている。心なしか風が冷たい。暖をとるためにデパートに入って店内を見て回ったりしているうちに時間は過ぎていく。 そろそろ夕食をと思い、香林坊のすぐ近くにある近江町市場に行く。細い路地裏アーケードみたいな造りの道に魚屋などが建ち並ぶ。そして、そういった市場ならではの店に混じって寿司屋がいくつか店を構えている。どの店にしようかと行ったり来たりを繰り返しながら検討をしているうちに結局小綺麗な回転寿司の店に入った。しかし、さすがというか回転寿司でありながら味の方はなかなかである。 今夜の宿として予約をしている旅館は素泊まりでかなり安い旅館であったからか駅からも繁華街からも離れており、どのバスに乗ればいいかわかりにくかったのと、地図を見る限りは歩けない距離ではないので近江町市場から歩く事にした。 金沢はかつて加賀百万石と言われた町だけあって、往時を偲ばせる老舗な構えの店が多い。呉服屋、和菓子屋、小物屋などが道沿いに並ぶ。私はそれらの店の構えを眺めながら雪の歩道を歩いた。 近江町市場から15分ほど歩くと橋が見えてきた。この橋を渡ると旅館の方向だ。川から寒風が吹いてくるが、そんな寒さをものともせず、ミニスカートの高校生がすれ違っていく。 旅館のある町は格子戸の家や商店が残る「ひがし茶屋」という古びた町並みの区画に存在していた。酒屋が開いていたので後で飲むための地酒を購入がてら旅館の場所を尋ねた。すると、おばあさんはいきなり「あなたはどこからおいでになった?」と聞いてくる。神奈川県だと答えると「都会の人のすぐと、田舎の人のすぐは距離感が違うからね。都会の人がどう感じるかは…」と言いながら「すぐ近く」にあるという旅館の場所を丁寧に教えてくれた。 すぐの場所にあった旅館は綺麗で小じんまりとした佇まいで好ましい建物で、部屋に通されると女将さんが近所にあるという銭湯の無料券をくれた。風呂桶も貸していただき銭湯に向かう。川の前にある銭湯はなかなか古い建物で、雪の夜で冷えた体が暖まった。 旅館に戻るとロビーに猫がいた。旅館の名前は猫にちなんだものらしいが、愛らしい猫としばらく戯れ部屋に戻る。部屋に女将さんが用意してくれた和菓子があった。こういう雪の夜に一人しんみりと旅館の部屋で飲む酒は大好きである。 #
by seasonz-t
| 2012-05-29 22:43
| 北陸
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